笑顔の向こう側 ～先生とわたしの軌跡～

なのに、俺の心は
弱くなって
いたのかもしれない

相沢に怒られた

情けない俺

相沢に、夏海を守るのは先生だろって言われて
ハッとした

そうだ、夏海を守るのは俺自身じゃないか

弱くなっていた、俺を
あいつらは救ってくれた

本当は不安で
たまらなくなっていた
俺の心

それなりに
恋愛経験はあったのに
こんな気持ちは
初めてだった

相手の心を
傷付けてしまって
別れを切り出した
事もあった

逆に傷つけられた
時もあった

たくさんの
心の傷があった

もちろんそれは
夏海の心にも
あるはずの傷

大きい傷だったはず

夏海の過去の恋愛が
どうのこうのじゃない

ただ、大きな傷が
あるのは、間違いない

あんな素敵な
笑顔の向こうに
夏海は悲しみも
背負っているはずだ

相沢から聞いた
夏海の過去

よほど、辛い思いを
したはずだ

だから、俺は夏海を
傷付けたくはない

夏海がとびきりの
笑顔でいられるように
しなきゃいけないんだ

俺が夏海を守るんだ

夏海の笑顔を絶やしたらいけないんだ