笑顔の向こう側 ~先生とわたしの軌跡~
『先生、ありがとう。
ショックだったけど
こればかりは
どうにも…』

『うん…。ごめんな』

『何で先生が謝るの?
先生は
悪くないんだから』

『そっか…』

『ところで、先生は
今日何かあった?』

わたしは話をそらした

もうバスケは諦めよう

そう決めた

先生が今日は学校の中の案内をしたと言っていた

自分も
よくわかっていない
校内を案内するのは
無理があるって笑ってた

何度も校内の見取り図とにらめっこした
と言っていた

そんな
他愛もない話をして
電話を切った

こんなに
辛い日だったのに
今日も月は明るかった

それだけが救いだった

また月に
おやすみと呟いた
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