笑顔の向こう側 ~先生とわたしの軌跡~
『なんだぁ。
がっかりする子
いっぱい居るよぉ』

みどりがしまっちを
からかった

『牧野もがっかり
してくれる?』

『そうでもない』

『少しはがっかり
してくれよ…』

2人は笑っていた

わたしの頭の中では
違う事を考えていた

大学の同級生
という事は、先生も
知ってる人なんだ…

少し、疎外感を感じた

親友の話も全く
してくれなかった先生

しまっちと居る
事によって、先生の
過去や人間関係が
気になるように
なっていく

わたしの知らない世界

先生の思い出

そこにわたしは
入り込めないのだろうか

そんな思いがよぎった

『そのうち
夏海ちゃんなら
俺の彼女と会う事も
あるだろうけどな』

しまっちが言った

『こんなガキなんて
しまっちの彼女に
バカにされちゃうかも』

わたしの言葉に
沈黙が流れた
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