笑顔の向こう側 ~先生とわたしの軌跡~
『ママも知ってる
人なんだけど…』

『え~。まさか
凌くん?』

わたしの周りに居た男は凌だけだった

いつも凌だけだった

『違うよ』

『じゃあ誰?』

勇気を振り絞った




『山本先生』




ママの目が点になった

何も言わないまま
立ち上がって
空になった
グラスを持って
キッチンへ
向かってしまった

そしてまた、グラスに
ビールを注いだ

一口ビールを飲んでから

『どういう事?』

と言った

ママがタバコを
取り出して、ゆっくり
火をつけた

ママは離婚してから
タバコを
吸うようになっていた
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