笑顔の向こう側 ～先生とわたしの軌跡～

わたしは、先生への
気持ちを正直に
ママに伝えた

転勤になった事は
ママも知っていた

何かを考えてるような
表情のまま言った

『何で辛い恋愛を
選ぶのよ』

ママはため息をついて
タバコを消した

『夏海が
辛い思いしてるなんて
全然わかって
あげられなくて…』

ママは涙を流した

『やめなさいって
言ったって
やめないのは
わかってるわ。夏海は
ママに理解して欲しくて話したんでしょ？
自分の娘が
辛い思いしてるのを
応援するのは
ママにとっては
辛いけど、夏海が
選んだ道なら
突き進みなさい。
それが間違いだったと
後悔するにしても
行動しないで
終わらせるよりは
夏海がきちんと
納得出来る
はずだからね』

わたしは泣いていた

声をあげて泣いていた

ママが反対しなかった
喜びと、今まで
隠してきた罪悪感

いろんな感情が
混ざった涙

『ママ、ありがとう』

『ママの子だから
頑固な夏海は
やめろって言うだけ
無駄なんだから』

そう言って
頭をなでてくれた