笑顔の向こう側 ~先生とわたしの軌跡~
『俺も寂しくて
毎日夏海の姿を学校で
探したりしてたんだ。
夏海は今頃
何してるのかなとか
そんな事ばかり
考えてしまうんだ』

寂しさを吐き出した
わたしを抱きしめながら先生もまた、寂しさを
打ち明けた

しっかりと抱き合って
お互いの温もりを
確かめ合った

どんなに抱き合っても
足りないくらい

『寂しくても、ちゃんと俺を信じてて』

『うん』

自然に涙が出る

悲しい涙ではない

こんなに先生がわたしを想ってくれている
事の嬉しさ

わたしは先生にちゃんと愛を伝えられて
いるのかな?

表現ベタなわたしには
それが不安でたまらない

大好きな先生に
大好きを伝える

本当に難しいの

マニュアル本なんか
ない恋愛

わたしと先生の形で
恋愛をしていけば
いいはずなのに

でも、先生と居ると
素直に気持ちを
打ち明けられる

先生のおかげなんだ

わたしが素直に
なれるのは
先生が傍に居るから

それは間違いない事実

それが先生に
伝わっているのかが問題
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