笑顔の向こう側 ～先生とわたしの軌跡～

『おはよ』

寝ぼけ眼のまま
先生が起きてきた

『おはよー』

わたしの言葉に
先生は笑顔を向ける

まだボーっとしている
先生にコーヒーを出した

『ありがと』

と同時に先生は大きな
あくびをする

寝癖のついた
先生のサラサラの髪

全部わたしの物にしたい

『ん？俺の顔に
何かついてる？』

わたしがあまりにも
先生を見つめるから
先生は不思議そうな
顔をした

『ううん。相変わらず
格好いいなぁと思って』

先生は笑った

『寝ぼけ顔の俺を
格好いいなんて
夏海、マニアックだな』

わたしも笑った

とてもゆっくり
時間が流れていく

このまま時間が
止まればいいのに

そうはいかない現実に
直面するのは
わかっていたけど