笑顔の向こう側 ～先生とわたしの軌跡～

『教師に恋するなんて
って思ってたんだけどさ夏海を見てると
ありえない話じゃ
ないんだなって初めて
思えたんだよね。でも
しまっちには彼女も
居るし、あたしは
最初から叶わない恋
なんだよね』

何かが吹っ切れたようにみどりが話し始めた

わたしは、何を
どうすればいいのか
わからずにいた

みどりの恋を応援して
あげられる自信がない

しまっちと美穂さんの
幸せな顔を見ているから

親友の恋を応援して
あげられないなんて

『夏海には、協力とか
応援とかして欲しい
なんて思ってないから。今話した事で、夏海に
辛い思いを
させてるよね』

『そんな事ない！
みどりこそ、よっぽど
辛い思いを
してたんだよね。
気付いてあげられなくて本当にごめん』

わたしはうつむきながらみどりの制服の
裾を掴んだ

みどりはその
わたしの手を掴んで

『夏海が親友で
良かった』

と笑顔を向けた

本当はすごく
辛いはずなのに

みどりの笑顔が
わたしには
とても苦しかった