笑顔の向こう側 ～先生とわたしの軌跡～

先生のおかげで
楽しい時間を過ごした

たくさん話して
たくさん抱き合って

一緒に過ごした時間が
またわたしの宝物になる

それでも、わたしの
心の中には、先生を
好きな女の子の事
そして、みどりが
しまっちに恋してる事
そんな事が付きまとった

先生には言えなかった

言いたくても言えない

隠し事はしたくなかった

でも…

隠さなきゃいけない
時がある

言わなきゃいい
事だってある

そう思うと、先生には
言えなかった

何か、胸につっかえて
いるような違和感

わたしさえ、口に
出さなければ
済むんだから

可愛い生徒の為に
毎日頑張っている先生に悩みを増やすわけには
いかない

綺麗事？

そうかもしれない

それでも、大好きな
先生に、躊躇している
自分がいた

先生と過ごしている
とても大切な時間

ドライブにも行った

帰り道はどしゃぶりの雨

一昨日先生と泳いだ
海を通りかかる

先生がアクセルを
踏み込んだ

『先生、飛ばしすぎ
じゃない？』

『え？怖かったか？
ごめん。雨降りの海は
嫌いなんだ』

先生がオーディオの
音量を少し上げた

『海が泣いてる
みたいで…。夏海の
涙を見ているような
気がして』

わたしは何も
言わなかった

先生のわたしを思う
気持ちを噛み締めていた

海を通り過ぎるまで
何も会話をせず
海を見る事もない

先生が嫌いな雨降りの海

わたしにとっても
嫌いな景色になる