笑顔の向こう側 ~先生とわたしの軌跡~
『先生、何で
ここに居るの?』

ようやく声を出せた

止まらない
胸のドキドキ

『ビックリした?』

笑顔の先生が、わたしにジュースを手渡し
ながら言う

ビックリしない
わけがない

先生の隣で、しまっちもニコニコしている

わたしは、自分を
落ち着かせる為に
先生からもらった
ペットボトルの
蓋を開けて
ジュースを流し込んだ

『ビックリしない
わけないじゃん!
昨日電話で話した時
何も言って
なかったじゃん』

『ごめん、ごめん。
実はあの時、もう
大地の家に居たんだ』

わたしは、またビックリさせられた

先生って人を
驚かせるのが好きなの?ってくらい

わたしは、先生に
驚かされてばかりいる

『しまっちは
付き合わされて
来たんだ?』

みどりがようやく
しまっちに声をかけた

わたしには、みどりの
心臓の鼓動が
伝わってきている

とてもドキドキ
していて…

それでも、平常心を
装うみどり

『付き合わされたって
言うか、俺も牧野たちがバスケやってる姿が
見たかったからさ』

しまっちの答えは
もっとみどりを
ドキドキさせた
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