笑顔の向こう側 ~先生とわたしの軌跡~
『しまっちは
みどりの事…』

『彼女とは
別れてないよ』

みどりがわたしの
言葉を遮った

『じゃあ何で?』

『わかんない。でも
夏海なら、あたしの
気持ちわかるでしょ?』

わたしが雅紀さんに
恋してた時

あの時みたい

わからないよ、みどり

あんなに、わたしを
止めていたのに

『わかるよ。
わかるからこそ
ダメなんじゃない!
何でそんな事するのよ』

『好きだから。自分が
好きだって気持ちは
抑えられない』

わたしと同じ思いを
してほしくない

あの時、わたしは
すごく辛かった

それをみどりも
見ていたはずなのに

止めなきゃ

でも、止められる
自信はなかったんだ

自分もそうだったから

『みどり、何て事
してるのよ。一番ダメな事じゃん。これから
学校で、どうしまっちと顔を合わせて
いくつもり?』

『ダメな事なのは
よくわかってるよ。
今後もしまっちと
こんな関係が続くとは
思ってないし。でも
夏海には隠して
いたくなかったから』

『一番辛いのは
みどりなんだよ』

『もう充分辛いよ。
好きでいる事が
辛くてたまらないよ』
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