笑顔の向こう側 ~先生とわたしの軌跡~
みどりの声が震えていた

どうしてあげたら
いいのかわからないまま携帯を握り締めていた

『みどり。
もう辞めなよ。これ以上辛い思いする
必要はないよ』

『辞められたら
こんなに悩んでないよ』

みどりは抜け出せずに
いたんだ

人を好きになる
苦しみから

まるで、わたしのように

わたしが雅紀さんに
惹かれていた時のように

辛くても、簡単に
抜け出せなくて、苦しむ

自分がどうしたら
いいのかわからなくなる

みどりは、同じ
思いをしていた

今になって、ようやく
みどりと凌が必死で
わたしを止めようと
してくれた気持ちが
わかった

遅すぎたのかも
しれないけど

親友として
してあげられる
最低限の事

それは、これ以上
みどりとしまっちの
関係を続けさせちゃ
いけない

わたしが、辞めなかったように、みどりも
辞めないかもしれない

しまっちが先生に
言うのかさえも
わからない

わたしが先生には
言っちゃいけない事
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