笑顔の向こう側 ~先生とわたしの軌跡~
『みどりは、しまっちに好きだって言ったの?』

しばらく沈黙が続いた

『ううん。
言えなかった。
言ったら、壊れて
しまうような気がして』

『じゃあ何で…』

しまっちは、みどりの
気持ちも聞かずに
みどりを抱いたの?

受け入れたから
いいやって事?

『でもたぶん
伝わったと思う』

しまっちが鈍感じゃ
なければ、気付くだろう

でも、彼女が居て
何でみどりを抱くの?

男ってそんなもん?

先生は違うよね?

わたし自身の
頭の中が混乱した

それ以上に、みどりは
混乱しているはず

震える声と
鼻水をすする音

みどりは、好きでいる
事の辛さを実感
しているようだった

わたしは、時々言葉を
選んで発しながら
みどりをなだめた

『明日、ゆっくり
話そうよ』

『うん。凌も呼んで。
来てくれるか
わかんないけど』

みどりは、凌の意見も
求めていた

凌は何て思うのかな?

激怒してしまう
かもしれない

みどりと話し終わった
携帯を見つめながら
色んな事を考えた

そして、眠れないまま
夜が明けた
< 369 / 383 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop