笑顔の向こう側 ~先生とわたしの軌跡~
俗に言う、たまり場に
わたしたちはいた

バスケ部の先輩と一緒に

先輩に可愛がられていたわたしたち

別に何をする
わけでもなく
たまり場にいた

みどりと凌は
雅紀さんがリーダー
だって言ってた

リーダーがあんな
寂しそうな笑顔を
見せるんだ…

雅紀さんは
よくわたしに声を
かけてくれた

ある日、ママに
買い物を頼まれて
スーパーの袋を
持っていた帰り道で
雅紀さんに会った

『うちに遊びに
来ない?』

断る理由も
見つからなかった

その日の雅紀さんの
笑顔は心の底から
笑った、とびきりの
笑顔だった

雅紀さんの部屋は
何の変哲もない
シンプルな部屋だった

何を話したかは
覚えていない
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