笑顔の向こう側 ~先生とわたしの軌跡~
わたしの部屋に
3人で集まったのは
久しぶりのような
気がする

ジュースとお菓子を
並べてテーブルを囲んだ

『何があったんだよ』

凌がポテチを口に
運びながら、言った

『何かあったから
呼んだんだろ?2人ともいかにも寝不足って
顔しやがって』

凌はわたしとみどりの
顔を交互に見た

『あのね、凌』

みどりが口を開いた

でも、言葉はそこで
ストップした

『何だよ!話す気
ねぇなら、帰るぞ』

凌を苛立たせていた

みどりが言い出せない
気持ちもわかる

『そんな事言わないで
ちゃんと聞いてよ!』

わたしも、戸惑って
いたのかもしれない

みどりの辛さをどうにもしてあげられない自分にイライラしていたの
かもしれない

『ごめんね、2人とも』

それからみどりは
ゆっくりと話し始めた

話し終わる時には
ポロポロと涙を
流していた

しまっちの事を
好きだから抱かれたと
言ったみどり

みどりの気持ちは
痛いほどわかっていた
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