笑顔の向こう側 ~先生とわたしの軌跡~
だけど、雅紀さんの

『キスしていい?』

の言葉だけは覚えてる

わたしはうなずいた

なぜ受け入れたのかは
今でもわからない

自分の事なのに

わたしは初めて
キスをした

そして…




雅紀さんに抱かれたんだ

気持ちいいよりも
痛かった初体験

雅紀さんの
大人な感じに惹かれた

そしてわたしは
雅紀さんを好きになった

だけど、あの日以来
とびきりの笑顔を
見る事はなかった

いつも寂しそうな
笑顔ばかりだった

雅紀さんから
連絡が来た時だけ
雅紀さんの家に行く

わたしから
連絡する事はなかった

しちゃいけないと
わかっていたから

わたしは
雅紀さんの欲求を満たす
道具にすぎなかった

そんな事わかってた

雅紀さんに
彼女が居た事も

彼女がとても優しく
わたしに接してくれた

とても素敵な彼女だった

だけど、好きな人に
抱かれたいと思う
わたしがいた
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