笑顔の向こう側 ~先生とわたしの軌跡~
体育館から戻って教室でのHRが始まった

新しい先生を迎えてみんな興奮気味だった

色んな質問が飛び交う

先生は独身で、23歳

生まれは、ここから6時間もかかる所らしい

担当は予想通り数学

きっと頭がいいんだ

身長は180cmで、体重は教えてくれなかったけどどう見ても痩せてる

大学を卒業したばかりの新米の教師だった

少しクールに見えるけど眼鏡の奥の瞳は優しそう

色んな情報がわたしの中に入ってくる

なぜか、先生から視線を逸らせない

先生と目が合うと、逸らしてしまうけど、また視線は先生に向かう

包まれるような感覚が忘れられない

『みんな、色々な事を教えて下さい。どうぞよろしくお願いします』

そう言って先生は笑った

緊張していたせいなのかようやく見せた笑顔が
安堵感に満ちていた

それから、1人1人の名前を呼んで、1人ずつ自己紹介をしていった

先生は必死に何かをメモしているようだった

わたしは緊張しながら、みんなにというよりは先生に向けて、自己紹介をしていた
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