笑顔の向こう側 ~先生とわたしの軌跡~
それからわたしは
恋に臆病になった

先生を好きになった時
また叶わない恋を
してしまった自分を
どうしようもない奴
だと思った

そんな雅紀さんが
今は真面目に
バイトをしている

ほんの少しだけ安心した

もう寂しい笑顔
じゃない事を願っていた

『夏海の目があの時と
同じに見える瞬間が
あるんだ』

と凌がつぶやいた

『また悲しい恋を
してるんじゃないかって思う時があるよ』

凌は続けた

心配してくれている
凌の気持ちが嬉しかった

『悲しい恋をしてる
かもしれない。
だけど、あの時とは
違うんだ。大丈夫。
辛くても叶わなくても、
わたしは頑張れるから』

精一杯の気持ちを
凌に伝えた

みどりはわたしの隣で
泣いていた
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