笑顔の向こう側 ~先生とわたしの軌跡~
わたしたちは
校門を出て歩き出した

先生がまだ窓から外を
眺めているとしたら
わたしたちの姿が
見えているかもしれない

お願いだから
もう教室に居ないで

莉子ちゃんと長い時間
一緒に居ないで…

そう願った

少し落ち着いたわたしはさっき見た事を
みどりに話した

だけど、話してるうちにまた涙が溢れてきていた

わたしが先生を
好きになったように
誰かが先生を好きになる

わかっていた事だけど
現実に目撃してしまうと辛い

みどりが必死に
なぐさめてくれた

だけど、みどりだって
何て言っていいか
わからないよね

普通に考えて
先生と生徒の恋なんて
あり得ない

頑張れって言うのも
辛いんじゃないかと思う

それでもみどりは

『明日休みだし
うちに泊まりに来る?』

と言ってくれた

でもわたしは断った

本当はみどりに
傍に居て欲しかった

だけど、みどりの
気持ちを考えたら
甘えてばかりいられない
と思った

『もうすぐ
期末テストあるし
今日は1人でも
大丈夫だよ』

『考えすぎちゃ
ダメだよ』

とみどりが言ってくれた

優しさが沁みる
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