笑顔の向こう側 ~先生とわたしの軌跡~
鍵はどこにあるのか
わからなかったけど
マグカップは確かに
わたしがあげた
マグカップだった

『明日のテスト
頑張れよ!』

そう言って先生は
コーヒーを飲んだ

わたしがあげた
マグカップで…




『そうだ!黒木。
ちょっとこれやって
くんない?』

そう言って、先生は
ジャケットを脱いだ

先生は、わたしに
ジャケットとボタンを
渡した

『何これ?』

『何って、ボタン
取れちゃったんだ。
付けてくれよ』

『うん。わかった』

あまりにも自然で
何の迷いもなく了解してしまったんだ

みどりは呆然としていた
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