笑顔の向こう側 ～先生とわたしの軌跡～

『さて！
勉強始めっかぁ』

麦茶を飲み干した
凌が言う

わたしはすっかり
遊びに来た気分でいた

『あたしは全く
やる気ないよぉ』

みどりが泣き言を言う

『ほら、牧野！
ちゃんとやる気起こせ』

先生が教科書を
パラパラめくりながら
言う

解らない問題の
解き方を聞く

解りやすく
説明してくれる先生

『じゃあこの問題
解いてみな』

そう言って先生は
立ち上がって
キッチンへ行って
タバコに火をつけた

みどりがノートの
端っこに何か書いた

【良かったね】

わたしも自分のノートに

【うん】

と書いた

凌のノートの端っこには

【俺のおかげ】

と書いていた

わたしたちは
こっそり笑い合った

『出来たかぁ？』

タバコを吸い終わった
先生が凌の隣に
腰をおろしながら言う

『３人とも
合ってるな！』

わたしたちの答えを
見て言った

そんな事を繰り返して
あっという間に
時間は過ぎた