笑顔の向こう側 ~先生とわたしの軌跡~
かおりと向かい合う

『突然なんですけど
夏海先輩は
凌先輩の事、どう思ってるんですか?』

かおりの目は真剣だった

『どうって?』

『付き合ってるんですかって聞いてるんです』

かおりが下唇を
噛んでいる

かおりが凌を
好きだってこと?

『夏海と凌が友達
だってことはかおりも
知ってるじゃん』

みどりが言う

『夏海先輩本当ですか?夏休みとかも
2人で部活に来たり、
仲良さそうで…』

かおりは今にも
泣き出しそうだった

『かおりは凌のこと
好きなの?』

わたしは直球を
投げてみた

かおりの顔は赤くなり
下を向いた

わたしとみどりは
顔を見合わせて
微笑んだ

わたしはかおりの
頭をなでて

『わたしは他に
好きな人がいるから。
かおりが凌のこと
好きなら、ちゃんと
気持ち伝えておいで』

と言った

目に涙をためたかおりは

『凌先輩はこれから
受験だし、わたしが
気持ち伝えたら
迷惑かかる
かもしれない。でも
夏海先輩と凌先輩が
仲良さそうなのを
見てると、もう
どうしようもなく
なっちゃうんです』

と言いながら
こらえきれずに
涙を流した
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