あくしゅ。
「ジェイク!」


まさか自分の家に来るなど

思っていなかった里美は、

頭の中が真っ白になっていた。


目の前に立つジェイクは、

息が乱れていたが

その目はとても鋭い。


里美は思わず視線をそらした。


その瞬間、

ジェイクは里美の右手首を取り、

強引に走り出した。


「ちょ、ちょっと……」


あまりに突然の事で

里美の頭はさらに混乱していた。


今、自分の身に何が起こっているのか、

全く把握できていない。


里美は

ジェイクに引っ張られるまま

タクシーに乗った。


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