あくしゅ。
ジェイクはしっかり前を見つめ、

カメラの向こう側を意識していた。


「スクープサレタ コト ハ

 スベテ ホントウ デス」


ジェイクの言葉に会場がざわめく。


「ボクハ タキタサトミサン ト

 オツキアイシテイマス」


一斉にたくさんのフラッシュがたかれた。


取材陣が質問をしようとした瞬間

ジェイクは遮り言葉を続けた。


「ボクノ サトミサン ヘノ

 オモイハ トテモ シンケンデス」


ジェイクの表情がさらに真剣になる。


「トテモ タイセツナ

 ヒト デス。マモッテ イキタイ」


ジェイクの真剣な言葉に

マスコミも段々と静かになる。


「ダカラ ドウカ ボクタチ ヲ

 ミマモッテ クダサイ」


ジェイクの目から一粒の涙が流れた。


「ドウカ オネガイシマス!」


深く頭を下げ

心を込めて気持ちを伝えた。


どれくらいだろう。

1分近く頭を下げて

ジェイクは会見場を後にした。


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