あくしゅ。
「ジェイクは今、

 とても大事な時。

 それは里美さんも分かってるね?」


そう言われて里美はゆっくりと頷く。


「日本と台湾で離れていても

 2人は電話でしっかり繋がっていた」


ジェイクは里美を

さらに強く抱きしめた。


「ジェイクの今日の会見を見て

 ……思ったよ」


トムが深い溜息をついて

覚悟したかのように続けて言った。


「2人の想いの深さに負けたよ。

 2人でこれから頑張ってくれ」


そう言い、トムは部屋を去った。


里美はトムに認められた嬉しさと

安堵感に涙が溢れた。


「サトミサン……」


涙でジェイクの顔がちゃんと見えない。


「ボク ノ キモチ、

 ウケトッテ ホシイ……」


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