あくしゅ。
握手の順番は最前列の人からだった。

ステージに上がり、

流れ作業の様に一人ずつ握手していく。


後ろの方にいる里美たちは

随分待たされる事になる。


会場の人はそれぞれ、

メイク直しをしたり、

握手する手を

ウェットティッシュで拭いたり、

身なりを整えながら

心を落ち着かせていた。


里美たちも例外ではなかった。


「ちゃんとジェイクの顔見れるかなぁ……」


「握手の感覚覚えられるかなぁ……」


里美と葵は不安に思う事を口々に呟いていた。


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