あくしゅ。

運命の出逢い

意識が戻り、

里美は重いまぶたをゆっくり開いた。


真っ白い天井、無機質な照明。


ふらつく身体をゆっくりと起こし

辺りを見回した。


6畳ほどのシンプルな部屋。


貧血で倒れたようだ。


どうやらイベントスタッフによって

運ばれたらしい。


里美は簡易ベッドに寝かされていた。


「ここ……どこだろう……」


思考回路がまだはっきりしていないからか、

うまく考えることが出来ない。


「……そうだ、

 突然目の前が真っ白になって……」


記憶をゆっくりと辿る。


「あ!握手してない!

……葵さんはどこにいるの?」



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