あくしゅ。
緊張感が一気に増し、

里美はドアを見つめたまま硬直した。


鼓動がどんどん早くなっていく。


ゆっくりとドアが開く。


その向こう側から

すらっとした影が見える。


「ダイジョブ、デスカ……?」


ジェイクだ。


会いたくて仕方のなかった彼が今、

里美のいる部屋へと入ってきた。


それと同時にマネージャーのトムは、

部屋の隅へと移動してくれた。


さっきまでのイベントの疲れを

感じさせないジェイクは、

とても心配そうに里美を見つめている。


「だ……大丈夫、です」


緊張の為上手く口が回らないが、

精一杯里美は答えた。




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