あくしゅ。
その言葉を聞いて

ジェイクは笑顔になった。


「ヨカッタデス」


里美はこの現実が信じられずにいた。


こんなに間近にジェイクがいて、

しかも2人きりでお話することが出来る。


たくさん話したいと思うのだが、

なかなか言葉が出てこない。


「……キョウハ……アー

 ……キテクレテ アリガト」


慣れない日本語で言いながら

ジェイクは里美に右手を差し出した。


里美がきょとんとしていると、

「アクシュ」

と優しい顔で迎えてくれた。


「あ、ありがとうございます」


ゆっくりとジェイクの手に

自分の手を近付ける。


と同時にジェイクはもう片方の手も出し、

里美の手を囲うようにして

握手をしてくれた。



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