あくしゅ。
「本当は里美さんに

 付き添いたかったんですけど、

 スタッフさんにステージへと

 誘導されちゃって……」


里美の側にいてあげられなかった

もどかしさで、

葵は胸が苦しかったようだ。


「ベッドに横になったら

 大分良くなりました!」


「本当に良かった。

 ……あ、そういえば、里美さん」


「はい」


「里美さんは

 ジェイクと握手出来たんですか?」


今日の最大のイベントである

ジェイクとの握手がちゃんと出来たのか、

葵はとても気になるようだった。


里美は先程の光景を思い出し

鼓動が早くなり顔が熱くなる。


そして少し考えた後、口を開いた。


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