あくしゅ。
数分間、2人は無言になった。


でもその空気はとても暖かく

穏やかで心地良かった。


電話の向こう側で

呼吸を整えるような音がした。


『アー、サトミサン』


「は、はい……」


里美は今にも

心臓が爆発しそうだった。


こんなに幸せなことは

もうないような気がしていた。


『ア、エット……』


電話の向こうでジェイクが口ごもる。


里美は少し違う空気を感じ

どうしたらいいか戸惑い始めた。


『……ボク ハ、

 ……サトミサン ガ

 スキ デス』


里美は今の言葉の意味が

理解出来なかった。


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