無口な猫の手懐け方法。
すると一人の男と目が合った。
「キミが御堂琴美?」
男は目を細め、私を上から下まで観察するように視線を動かす。
まるで男に見定めをされているようで、イラつく。
「…………なに?」
いつもより何倍も低い声を、その男に投げかける。
しかし男は、
「あ、俺は斎藤雅。キミのクラス、1年C組の担任。よろしくね?」
と私の声にまったく気にする素振りもなく、そう言った。
「…………私が、1年……?」
男……斎藤の言葉に、私は思いっ切り顔を顰めた。
どういうことだ、と隣の香月を見る。