無口な猫の手懐け方法。
「御堂、俺達も行くよ?」
「…………。」
香月達が出て行った後、私も斎藤に続いて部屋を出た。
理事長はそんな私達を穏やかな目で見送っていた。
静かな廊下を、斎藤と並んで歩く。
コロコロ。
……あ、香月にレモン味貰っとくの忘れてた。
コロコロ。
斎藤、アメ持ってるかな?
「ねえ、斎藤。」
「ん? なに? ていうか、先生を呼び捨て?」
「アメある?」
コロコロ。
まだ口の中に残るレモン味のアメを転がしながら、私は斎藤に聞いた。