無口な猫の手懐け方法。
コロコロ。
「はい。これがキミたちの次の仕事ね」
目の前の女はそう言って、束ねられた資料を渡す。
コロコロ。
「……ボディーガード?」
受け取った隣の男が、資料をパラパラとめくり言葉を零す。
コロコロ。
「そう。有名な財閥の跡取り息子のね。
本人は嫌がってるらしく、親が内緒で依頼してきたの」
女は楽しそうに説明する。
コロコロ。
「それはつまり、対象本人に気付かれないように守れと?」
対照的に男は、面倒臭そうに聞き返す。
コロコロ。
「そういうこと。
じゃあまあ、二人にはその跡取り息子を守ってもらうために――……」
コロコロコロ――……
「その息子が通ってる青葉学園にでも転入してもらおうかな」
――ガリッ。