初恋-はつこい-
「は、はい!」


「何をぼーっとしてるんだ。

 ……黒板の問いに答えなさい」


今は数学の授業中。


黒板には数式が書かれている。


真由は黒板へと向かい、

チョークを手に取った。


あの玲子の言葉で

なかなか集中できない中、

なんとか数式を解き、席へと戻った。


「真由、大丈夫。顔色悪いよ」


左隣に座っている花帆が

心配そうに小声で言った。


「ん……。大丈夫、だよ」


花帆に心配を掛けないように

精一杯の笑顔で真由は言った。



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