初恋-はつこい-
しかし、

花帆はそんな真由の姿に

腑に落ちないようだ。


「いや、なんか貧血っぽいよ」


「花帆、本当、大丈夫……」


真由の言葉を遮るように、

花帆は突然手を挙げて

先生に呼びかけた。


「先生」


「鈴木さん、どうしたんですか」


「菅野さんが具合が悪いそうなので、

 保健室に連れて行きます」


突然の花帆の言葉に、

真由は動揺し目が泳いだ。


「え、花帆。大丈夫だっ……」


真由の言葉を再度遮り、

花帆は真由の腕を取り教室を出た。



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