初恋-はつこい-
徐々に

真由の順番が迫ってくる。


運動が苦手な真由にとって

この時間が一番つらい。


まして

同じ列に玲子がいるから

なおさらだ。


どうにか

早まる鼓動を抑えようと

呼吸を整える。


「次の列、位置についてください」


とうとう

真由たちの順番がやってきた。


真由は第2レーン、

玲子は第5レーンだ。


視線を感じて真由はふと横を見た。


玲子の鋭い目が

こちらを向いている。


……ここで負けちゃいけない。


真由は初めて玲子を睨み返した。


……長嶋さんだけには

負けたくない。


「位置について、よーい……」


パーン



< 147 / 485 >

この作品をシェア

pagetop