初恋-はつこい-
体育祭は順調に行われた。


全校生徒が皆、

一生懸命に取り組む姿は、

真由から見てもとても美しく

感じた。


一生懸命だからこそ

光る汗が輝かしい。


中学校生活最後だから

余計にそう感じるのかもしれない。


これから体育祭の

メインのひとつである、

3年女子のダンスが

行われようとしていた。


「大丈夫かなぁ、私……」


ダンスセンスがあまりない

真由は不安で仕方ない。


「大丈夫だって、真由。

 みんながいるから」


真由の肩をぽんと叩きながら

花帆が励ます。


「う、うん。ありがとう」


そして校庭に

リズミカルな音楽が流れ始めた。



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