初恋-はつこい-
「先生ー。急病人でーす」


花帆に抱えられながら

保健室のドアをくぐる。


中には数名、

手当てを受けている生徒がいた。


今日は日差しが強いからか、

熱中症の生徒が多そうに見えた。

「あら、菅野さん。どうしたの」


先生はいつものように

穏やかに聞いてきた。


「あ、あの。

 ダンスのジャンプで

 足首ひねっちゃって……」


真由の言葉を受けて

先生が左足首にそっと触れる。


「い、痛っ」


左足全体に鋭い痛みが走った。



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