初恋-はつこい-
今はどうやって

香坂君の誤解を解けるかは

分からないけど、

でも私のしっかりとした

姿を見せれば、

きっと香坂君も

分かってくれる、よね……


真由は何度もそう言い聞かせ、

どうにか平常心を保とうと

努力した。



「お疲れ様でしたー」


学校が閉まるギリギリまで

コンクールに向けた猛練習をし終え、

真由はその場で大きく背伸びをした。


さすがに

この時間まで練習をすると

口が疲れる。


頬を手のひらで

優しくマッサージしていると、

杏奈が左肩に手を当てながら

近付いてきた。



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