初恋-はつこい-
「あ、詩織ちゃんじゃない」


真由たちの前を

歩いている女の子に

杏奈が気付いた。


先に音楽室を

後にしていた詩織だ。


後姿がなんだか

寂しそうに真由には見えた。


「ねー、詩織ちゃーん!」


杏奈が大きな声で声を掛けながら、


真由の手を引っ張って

詩織の元へと走った。


「し・お・り・ちゃん」


茶目っ気たっぷりに

杏奈が言いながら

詩織の肩をぽんと叩く。



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