初恋-はつこい-
真由、杏奈、詩織の順に

横一列に並び、

詩織の歩調に

合わせながら歩く。


車1台通るのが

やっとなほどの細い道。


等間隔にある街灯も

照らす光が頼りなく、

虫が沢山寄り付いて

少し怖く感じる。


重々しい空気を

ばっさりと切るように、

杏奈がテンションを上げて

詩織に尋ねた。


「ねえ、詩織ちゃん。

 今日もつっかれたねー」


そんな杏奈とは対照的に

冷静な声で詩織が答える。


「はい」


一瞬の間の後、

杏奈が思い切って口を開いた。



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