初恋-はつこい-
よそ見をしていたせいで

真由は誰かとぶつかってしまった。


「あ、ご、ごめんなさ……」


ゆっくりと相手の顔を見ると、

そこにはあの圭輔が立っていた。


「こ、香坂君……」


真由に緊張が走る。


自然と表情がこわばってしまう。


圭輔は無表情で

真由を見つめながら言った。


「別に」


真由はぶつかってしまった

圭輔の背中に軽く触った。


「ご、ごめんなさい。

 あ、あの、香坂君……」



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