初恋-はつこい-
詩織が真由と圭輔を

向かい合わせに立たせると、

圭輔に向かって強く呼び掛けた。


「お兄ちゃん!

 ねえ、お兄ちゃん、聞いて!」


詩織の呼び掛けに

面倒くさそうにしながらも、

ゆっくりと

真由と詩織の方を向いた。


あまりに近い圭輔の視線に

真由の心は暴れだす。


「なんだよ」


圭輔の凍るような言葉に

真由は自然と一歩下がる。


「お兄ちゃん、

 菅野先輩のこと、

 どう思ってるの」


詩織の意外な言葉に

真由は目を丸くした。



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