初恋-はつこい-
「え、ち、ちょっと、

 詩織ちゃ……」


どうにか詩織の質問を

取り消そうと

真由は止めに入ろうとしたが、

それを遮るように

圭輔が口を開いた。


「どうって、別に。

 どうでもいいヤツ」


圭輔の言葉に

真由はショックでその場に

倒れそうになった。


……やっぱり、

私、嫌われてるんだ。


そう思うと胸が苦しくなり

自然と涙目になる。


そんな真由を気遣いながら、

詩織はポケットから

封筒を取り出し圭輔に差し出した。



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