初恋-はつこい-
真由たちが見学している

小宮南高校は、

開校して10年足らずの

まだ若い学校だ。


校舎も設備が良く

清潔に保たれている。


駅から徒歩5分の好立地なのも、

この高校の人気度が伺える。


真由は胸の鼓動が

抑えられないでいた。


2人きりではないにせよ、

こうして圭輔と一緒に

第1希望の高校を見学出来ることに、

飛び回りたいほど嬉しかった。


「ねぇ、香坂くぅん。

 玲子、制服見てみたぁい」


さっきからのこの玲子の

甘ったるい声が、

真由の頭の中に

しつこい程こびりついている。


圭輔はこの玲子の声に

慣れているのか、

表情一つ変えずに、

「じゃ、いくか」

と答えた。



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