初恋-はつこい-
真由と花帆の席は

ほぼ真ん中。


2組側にとって見ると

先頭にあたる。


もしかしたら

真由の真ん前の席に

圭輔が座るかもしれない。


そう考えると

真由の鼓動は自然と早くなった。


「香坂君、

 前の席に座るといいね」


花帆がそっと

真由に耳打ちする。


真由は顔を赤らめながら

花帆の肩を叩いた。


「もう、からかわないでよ」


そんな真由の反応に

花帆は微笑んだ。


しかし、真由の願いは虚しく、

圭輔は先頭よりの座席に

座ってしまった。



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