初恋-はつこい-
「残念だったね」


花帆が小さく言うと

真由がこくんと頷きながら、

「うん。仕方ないよ、ね」

と呟いた。


真由はそっと

圭輔の座席周辺を見回した。


すると、

圭輔の席の真後ろに

玲子とエリ、カヨが座っていた。


その瞬間、

玲子が振り返り

真由と視線が合った。


玲子の鋭い視線に

真由は凍りついた。



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