初恋-はつこい-
静かに新幹線が動き出す。


滑らかにでもだんだんと

スピードを出していく。


まるで窓からの景色が、

真由たちを元気よく

見送ってくれているかのようだ。


「私、新幹線初めてだよー」


興奮を抑えきれないのか、

目を真ん丸くして

輝かせながら花帆が言う。


「実は、私もなんだよね」


真由もまた花帆と同じく、

初めて乗る新幹線に

目をキラキラとさせていた。


思っていたよりも

快適な乗り心地に、

真由たちはゆったりと

座席に身を任せていた。



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