初恋-はつこい-
「起きちゃ駄目よ。

 じっと寝ていなさい」


真由の足元の方にいた

保健の先生が冷静に言う。


真由は身体を

ゆっくりと布団へと預ける。


すると保健の先生が

真由に向かって、

「菅野さん、

 明日は1日部屋で休んでいなさい。

 そんな状態じゃ、動けないわよ」

と淡々と言った。


「……せっかくの修学旅行が……」


真由はそう呟くと

目から涙が溢れ出た。



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